ヘルスケアリスナー
ヘルスケアリスナーとは、ヘルスケアマネジメントシステムから ADT メッセージを受信し、トラフィックをヘルスケアマネジメントシステムから Jamf Pro へと安全に通過させるサービスです。ヘルスケアリスナーが ADT メッセージを受信した際に、Jamf Pro はメッセージを解釈し、構成されたルールに基づいてリモートコマンドをモバイルデバイスへ自動的に送信します。ヘルスケアリスナーの通信プロセスの詳細については、ナレッジベースの資料のHealthcare Listener Communication (ヘルスケアリスナーの通信) を参照してください。
例えば、ヘルスケアリスナーが 「患者退院」 ADT メッセージを受信すると、Jamf Pro が病室に割り当てられたデバイスにデバイスのワイプコマンドを送信するといったルールを設定することができます。
ヘルスケアリスナーを構成するには以下を実行してください。
-
IP アドレスまたは IP アドレス範囲を指定して受信メッセージを承認してください。
注: ヘルスケアリスナーは IPv4 および IPv6 接続方法に対応しています。
-
port 番号を指定してください。
注: デフォルト port 値は 8080 です。この値をヘルスケアリスナーがヘルスケアマネジメントシステム通信を受信するために使用する port 番号に変更します。
-
Jamf Pro がデバイスにコマンドを送信できるように設定してルールを追加します (詳しくは、ヘルスケアリスナー規則を参照のこと。)
コマンドが送信されない場合、Eメール通知を有効にすることもできます。
さらに、リモートコマンドが送信を失敗した場合または保留状態が続く場合に、Jamf Pro からEメール通知を送信することもできます。詳しくは、下の表の「Eメール通知」を参照してください。
ヘルスケアリスナーは、Jamf Pro に管理されるサービスである Jamf インフラストラクチャマネージャによってホストされています。インフラストラクチャマネージャのインスタンスをインストールした後、Jamf Pro によってヘルスケアリスナーを有効化できます。詳しくは、以下を参照してください インストラクチャマネージャインスタンス。
ヘルスケアリスナー規則 (複数)
ルールを構成することにより、Jamf Pro はヘルスケアリスナーが ADT メッセージを受信した際にデバイスにリモートコマンドを送信できるようになります。1 種類以上のコマンドを送信したい場合、または 1 種類以上の ADT メッセージを使用したい場合、それぞれに個別のルールを設定してください。所属するオーガニゼーションの要件に応じて、いくつでもルールを構成できます。
下表は、各ルールに対して構成できる設定の概要です。
設定 |
説明 |
オペレーティングシステム |
この設定によって、iOS または tvOS のいずれかのデバイスにルールを適用できます。例えば、現環境下の tvOS デバイスに限定したワイプの選択が可能です。 注: tvOS では、「デバイスのワイプ」のリモートコマンドが唯一のオプションです。 |
リモートコマンド |
この設定により、ヘルスケアリスナーが ADT メッセージを受信した際に Jamf Pro から送信するコマンドを指定することができます。以下のコマンドから選択できます。
注: モバイルデバイスのアクティベーションロックが有効化されている場合、デバイスがワイプされるとアクティベーションロックは解除されます。
詳しくは、モバイルデバイスのリモートコマンド を参照してください。
|
ADT メッセージ |
Jamf Pro がデバイスにコマンドを送信するには、ヘルスケアリスナーが ADT メッセージを受信する必要があります。以下の ADT メッセージのタイプから選択できます。
|
マッピングフィールド |
ADT メッセージには、ヘルスケアリスナーが抽出できる複数の情報フィールドが含まれています。抽出する ADT メッセージフィールドを選択して、そのフィールドをデバイスインベントリにあるユーザと位置情報から属性へとマップすることができます。例えば、「ベッド番号」 を返すフィールドを選択して、そのフィールドをデバイスのインベントリ情報にある 「ルーム」 属性にマップできます。指定したコマンドが、選択したインベントリ属性に一致するデバイスへと送信されます。 以下の ADT メッセージのフィールドから選択できます。
それ以外には、ADT メッセージの代替フィールドを使用する方法があります。 また、現環境に適したインベントリ属性別の拡張属性を作成し、オプションとして利用することも可能です。(モバイルデバイス用拡張属性の作成についての詳細は、「モバイルデバイスの拡張属性」を参照のこと。) |
Email 通知 (オプション) |
以下のイベントに対しては、Jamf Pro から 指定ユーザーへEメール通知が送信されます。
Eメール通知を有効化するには、Jamf Pro に SMTP サーバを設定する必要があります。詳しくは、SMTP サーバとの統合 を参照してください。 |
要件
ヘルスケアリスナーを設定して、最新機能と拡張機能を最大限に有効活用するには、Jamf インフラストラクチャマネージャの最新バージョンをインストールしてください。ヘルスケアリスナーのインストールと構成に関する詳細は、テクニカル資料Installing and Configuring the Healthcare Listener (ヘルスケアリスナーのインストールと構成) を参照してください。
また、お使いのヘルスケアマネジメントシステムが Health Level Seven (HL7) メッセージを順守していること、また HL7 プロトコルのバージョンと通信していることを確認することが必要です。HL7 メッセージングの詳細については、 www.hl7.org を参照してください。
ヘルスケアリスナーの設定
-
Jamf Pro にログインします。
-
ページ右上隅の Settings (設定) をクリックします。
-
Server Infrastructure (サーバインフラストラクチャ) をクリックします。
-
Infrastructure Manager Instancesインフラストラクチャマネージャインスタンス) をクリックします。
インフラストラクチャマネージャインスタンスのリストは、各インスタンスにインストールされたサービスと共に表示されます。 -
構成したいヘルスケアリスナーのインフラストラクチャマネージャインスタンスをクリックします。
-
Edit (編集) をクリックします。
-
Enable Healthcare Listener (ヘルスケアリスナーの有効化) チェックボックスを選択します。
-
ヘルスケアリスナーの表示名を入力します。
これは、インフラストラクチャマネージャのヘルスケアリスナーに対して表示される名前です。(インフラストラクチャマネージャインスタンスにインストールされたサービスの表示の詳細については、「インストラクチャマネージャインスタンス」を参照のこと。) -
IP アドレスを指定して受信 ADT メッセージを承認するには、以下のいずれかを行います。
-
All IP addresses (すべての IP アドレス) を選択して、すべての IP アドレスからの受信メッセージを承認します。
-
Single IP address or Range of IP addresses (単一 IP アドレスまたは IP アドレス範囲) を選択して受信 ADT メッセージを承認する IP アドレス指定し、以下を実行します。
-
単一 IP アドレスを指定するには、Single (単一) の (+) Add (追加)ボタンをクリックして IP アドレスを入力します。
-
IP アドレス範囲を指定するには、Range (範囲) の (+) Add (追加) ボタンをクリックして開始および終了 IP アドレスを入力します。
-
-
-
お使いのヘルスケアマネジメントシステムの port 番号を入力します。
-
Save (保存) をクリックします。
ヘルスケアリスナーを設定した後、ルールを追加することができますルールを追加すると、Jamf Pro がデバイスにリモートコマンドを送信することができます。
ヘルスケアリスナー規則の追加
-
Jamf Pro にログインします。
-
ページ右上隅の Settings (設定) をクリックします。
-
Server Infrastructure (サーバインフラストラクチャ) をクリックします。
-
Infrastructure Manager Instances (インフラストラクチャマネージャインスタンス) をクリックします。
インフラストラクチャマネージャインスタンスのリストは、各インスタンスにインストールされたサービスと共に表示されます。 -
ルールを追加したいヘルスケアリスナーのインフラストラクチャマネージャインスタンスをクリックします。
-
Edit (編集) をクリックしてから、Add (+) (追加) ボタンをクリックします。
-
ルールを適用するオペレーティングシステムを選択します。
-
ヘルスケアリスナーが ADT メッセージを受信した際に Jamf Pro がデバイスに送信するリモートコマンドを選択します。
-
ヘルスケアリスナーが受信できる ADT メッセージを選択します。
-
Field Mapping (フィールドマッピング) オプションを使用して、ADT メッセージのフィールドをインベントリ情報の属性にマップします。
ADT メッセージの代替フィールドを使用する場合は、ADT Message Field (ADT メッセージフィールド) のポップアップメニューから「Other (その他)」を選び、フィールド入力します。 -
(オプション) Eメール通知を有効化するには、Notifications (通知) タブをクリックして、以下を実行します。
-
Eメール通知を送信したいイベントを選択します。
-
改行またはカンマで区切ったEメールアドレスまたは複数のEメールアドレスを入力します。
-
Email Delay (Eメールの遅延) ポップアップメニューを使用して、コマンドが指定したEメールアドレスにEメールを送信するまで保留となる待機時間 (分) を選択します。
-
-
Save (保存) をクリックします。
ヘルスケアリスナーが ADT コマンドを受信した際に、Jamf Pro は指定したデバイスに、ADT メッセージ内のフィールドにマップされるコマンドを送信します。
留意点
-
保留状態のリモートコマンドを含むルールを編集または削除する場合、ルールの編集/削除にかかわらず、保留中のコマンドはデバイスに送信されます。
-
ヘルスケアリスナーが Jamf Pro と通信できない場合 (Jamf Pro のアップグレード中など)、その時間内にヘルスケアリスナーが受信した ADT メッセージは保存され、通信が再び確立された時に処理されます。
関連情報
本ガイドの以下のセクションに関連情報が記載されています。
-
モバイルデバイスの監査ログの表示
デバイスのインベントリ情報で特定のモバイルデバイスに送信されたリモートコマンドの日付/時刻を表示する方法を確認します。 -
変更管理
Jamf Pro におけるヘルスケアリスナーの変更を表示する方法を確認します。